《過去の例会》

劇団NLT『O.G.Ⅱ -歌って、生きて-』

第458回例会 劇団 NLT

2026年3月17日(火)18:30~

          3月18日(水)13:30~

会場 清水マリナート

脚本・作曲/まき りか

演出/本藤起久子

出演/旺なつき、阿知波悟美、池田俊彦、金森 大(客演・ピアノ)

 

 2016年、思いがけずネット上で動画がバズり、オールドガールズ「O.G.」として一躍スターになったスミ子とカズエ。キャバレーで38年間、鳴かず飛ばずで歌い続けてきた2人の夢は、ついに叶ったかに思えた。

 しかし、あれからの年月、運命はなおも2人を翻弄した。世の中は「O.G.」を忘れ、今やカズエは失踪? スミ子はひとり、熱海の地に流れついていた。もう、あとは老いていくだけの〝消化試合〟の人生なのか。あれほど身を焦がしてきた「歌」への想いは、もう遠くに行き去ったのか。

 そんな時、スミ子のスナック「ミラクル」に不意にカズエが訪れた。突然の再会によって、運命の時計はふたたび回りはじめる・・・(静岡・清水合同例会)

3月17日と18日、劇団NLTのミュージカル『O.G.Ⅱ-歌って生きて-』が、期待通りの面白さやほろ苦さを携え、後半に設定された素晴らしいステージを披露して会員を魅了しました。

 前作初演の2016年から8年の全国巡演を経て、待望の続編が生まれたのが1年前。静岡県はわずか1年10か月で続編を迎えることが出来ました。「ようこそ静岡・清水へ」メッセージボードの賑やかさが期待の大きさを物語っています。

 前作は、新宿・歌舞伎町に残る、最後のキャバレー「ミラクル」。昭和の名残を残すこの店もあと一週間でその火が消えることになっていた。スター歌手を夢見て上京し38年。今はこの店のシンガーとして歌い続けている二人の女性、スミ子とカズエ。明日を夢見た若かりし頃を過ぎ、女性としての幸せや愛を求めながらも、ステージで歌うことを選んできた、彼女たちの人生。

 「老い」と「夢」の狭間でいま、場末の歌手人生が終わろうとしている。そんな彼女たちに起こった『ミラクル』。それはふとしたことがきっかけでインターネットでバズッた二人は、紅白歌合戦にまで出場するまでに有名になった。今回の続編はその後日談。

 熱海が舞台の今作、スナックのママに収まったスミ子。タクシーの運転手になったマネージャーだった松尾の「俺は二人の復活を諦めていませんからね」という決まり文句を、笑い飛ばしながらも、行方知らずのカズエを時々思い出していた。

 そんな時にふらっと現れたカズエ。突然いなくなった後ろめたさを抱えながらも10年のブランクは・・・二人の38年間の友情はそんなものはあっという間に吹き飛ばしてしまった。そして、再び生きる張り合いを取り戻すことになる、用意されたステージとは・・・

 松尾役の池田さんがロビー空間から舞台の始まりまで、温め大変盛り上げてくれました。前作から変わらぬ、旺さんと阿知波さんの素敵な歌声とダンスが、同年齢の会員たちに勇気と元気を与えてくれました。「ブラボー、ブラボー」の声が響いたとても愉しい作品でした。18日にはロビーから富士山が綺麗に見えていて、池田さんがとても喜ばれていました。

トム・プロジェクト プロデュース『モンテンルパ』

第457回例会 トム・プロジェクト プロデュース

2026年2月3日(火)18:30~

          2月4日(水)13:30~

会場 グランシップ 中ホール 大地

作・演出/シライケイタ

出演/大和田獏、島田歌穂、真山章志、カゴシマジロー、辻井彰太

 

絶望を希望に変えたのは、音楽の力だった・・・

 昭和28年7月。終戦後7年以上も異国フィリピンのモンテンルパ刑務所に収容されていた、死刑囚を含むBC級戦犯108人が横浜港に降り立った。二度と、生きて故国の土を踏むことはできないと絶望していた彼らを救ったのは、一曲の歌だった。
 彼らの釈放をキリノ大統領に決断させた歌とは「あゝモンテンルパの夜は更けて」この歌を歌った歌手、渡辺はま子。そして、この歌をキリノ大統領に届けるべく奔走した僧、加賀尾秀忍。
 二人の情熱が交錯するとき、歴史は動く...。(静岡・清水合同例会)

会員の感想

◎モンテンルパの歴史は以前から良く知っていた。あの大東亜戦争初期、破竹の勢いでヒィリピンから米軍を追い出し占領軍となった日本軍は食糧現地調達という名の略奪、奴隷的使役、婦女暴行、反日スパイ名目での無差別殺戮、など日常的にやっていたのである。これらについては多くが記録され出版されている。終戦後米軍による犯罪者摘発が行われ、多くの日本軍兵士が死刑を含む有罪判決を受けモンテンルパ刑務所の囚人となったのである。今回のドラマは、何年も死刑執行に怯えつつ虚ろな日々を送っている囚人たちの嘆きから始まった。歌手渡辺はま子と教誨師の献身的な助命嘆願への努力が、本来民衆の先頭に立って日本軍を糾弾すべき立場のキリノ大統領の心を動かし恩赦令を出させるに至ったことは感動的であった。日本中が、特に故郷の家族や友人たちが喜びに沸いたのは想像に難くない。しかしこの物語は決して美談ではない。戦争の残酷さを腹の底から訴えているのだ。それを見事にやり遂げてくれた役者さん達に心から拍手を送りたい。 ◎ロビー交流会で91歳の沼津の新会員の方、教誨師・加賀尾さんと「モンテンルパの会」で交流があったとのお話しを聞いて、舞台と史実が交差していると驚きました。フィリピンのキリノ大統領と国民の寛容、韓国や中国とは違うと思いました。 ◎交流会に8人出席、大勢参加されびっくり。大和田さんの指名で若い会員さんの意見も聞く事ができて良かった。沼津から91才の方が参加され感想を述べてくださり感動した。 ◎とても良かったです。フィリピンであんな事があったなんて、知りませんでした。渡辺はま子さんが、こんなに活躍していたことも初めて知りました。観劇出来て良かったです。日本軍が、戦争とはいえ、フィリピンの国民に残酷なことをしてきたこと、キリノ大統領の迫力ある言葉でその時の情景が浮かびました。どんなに辛く悲しく日本人を憎んだことでしょう。しかし、家族を殺された憎しみの連鎖は止めなければいけないと、死刑囚たちを解放してくれました。辛かったでしょうに‼涙が出ました。戦争は絶対にしてはいけない。今の世界の情勢が心配です。 ◎戦火の中、現在も戦争が起こり悲しい。次の世はその様なことがないよう、本日の劇を大切にしたい。 ◎戦争についてあらためて考える機会となりました。すごく大切に、そして考えさせられるテーマでした。 ◎獏さんの最後のことば、戦争のない世の中を! ◎あの戦争から80年、我々はまがりなりにも平和だった。戦後100年を祝える日がきますように。 ◎モンテンルパの・・・口ずさんだ思い出・・・こんな悲しいことがあったなんて!戦争はぜったいいけない。何の利益も生まない。何でわからないのか、日本がこれだけ訴えているのに情けない。 ◎歌穂さんの生歌はじめて聞きました。すばらしい。もっと聴きたかった。獏さんも元気でいてくれてうれしかったです。また静岡に来てください。 ◎歌穂さんの歌声がとてもすてきでもっとききたかった。そして、戦争のない世界を願う。 ◎このような事実があった事も知らずはずかしい限りです。戦争のない世界になってほしい。スマホの着信音が気になりました。マナーを徹底してほしい。 ◎5人の俳優さんの素晴らしい演技に感動すると共に戦争は何も生まないということを感じました。 ◎今この時、心にしみ平和への決意をあらたにできました。 ◎ありがとうございました!今日来て本当に良かったです。68才なのにフィリピンのこと全然知らなかったです。フィリピンから100余人の人たちが帰ってきて本当に良かったです。 ◎戦争をしない国でなければと。 ◎戦争について考えることがこわいという気持ちに向き合おうと思えました。ありがとうございました。 ◎戦争の裏で助ける為に働いて下さっている方々を思うと涙が出ました。戦争は絶対にしないことを願います。 ◎重い話しではありました。5名で仕上がった良いおしばい。ありがとうございました。 ◎世情があわただしくなって、戦争は再びおこしてはならないと心に響いた芝居だった。 ◎戦争はだめ。戦争をあおる政治はだめ。戦争の準備をしたがる政治もだめ。 ◎心打たれました。戦争の罪はどこにだれにあるのでしょうか。考えさせられます。戦争のない世界に…心から願わずにはいられません。 ◎この劇を見て本当によかった。 ◎加賀尾と面会したキリノ大統領の言葉は日本人として心に深く染み、我々がどう米や中国と向き合うのか考えたい。 ◎世界がおかしな方向にこうとしている。戦争は絶対にさせてはいけない。 ◎今の日本のあやうさを感じ役者さんたちの最後のことば心にひびいた。戦争は反対。 ◎声の聞こえないこともあって残念。ただ日本の加害責任をどう考えていけばいいのでしょう。もう少し声をもらう(マイクとか)お願いします。

◎アジアの人たちに戦争中酷いことをしておいて、相手方の許しを良い事に今の外国人排斥のような言葉はどこから来るのか?大衆のヒステリーが戦争を後押しするって自覚しなくちゃって思いました。 ◎夜の会で役者さん5人の皆様からお言葉をいただきとても親しみをおぼえた。 ◎最後のあいさつに感激しました。 ◎高校や大学の演劇サークルを招待したらと思います。 ◎最高、感動。 ◎ソフト席にしてもらって大変良かった。内容が良く分かった。最後の全員のあいさつの声が聞き取りづらくもったいなかった。 ◎良かった。もっと大勢の人に見てほしい。 ◎戦争がなくなる世の中にしたいです。とても良かったです。

 トム・プロジェクトプロデュース「モンテンルパ」、運営サークル会の活動を通じて、フィリピンに終戦後7年間も収監されていた死刑囚を含むBC戦犯が、日本国中を巻き込む帰国嘆願運動によって生還できた秘話。その運動の中心にいた、歌手・渡邊はま子と教誨師・加賀尾秀忍の執念とも言える強い思いと情熱を初めて知ることが出来ました。

 1時間45分という決して長くない一幕ものの舞台は、戦争の悲惨さや惨たらしさ、平和の尊さを訴えていて、たっぷりと私たちの心に染み込む舞台でした。

 昼の会終演後には出演者全員が参加してのロビー交流会を開きました。出演者全員から、役作りで苦労した点や思いを伺いました。島田歌穂さんは初演と何回かの再演時に、渡邊はま子さんのお墓にお参りしたことや資料をたくさん読み込んだこと、大和田獏さんの役に向かう自身の気持ちの整え方など、一人何役も演じられた真山さんとカゴシマさんと辻井さん、上演を重ねるごとに深まっていく登場人物への思いが伝わってきました。そして大和田さんが何より強調されたのが、平和への願いでした。

 また、帰国した戦犯のご家族が沼津から駆け付け、「モンテンルパの会」の活動を俳優陣に語り、資料を劇団代表に託しました。

 大和田さんがロビーいっぱいの会員の中に、二十歳前後の若者がいることに気付き、逆指名で感想をお聴きになったのも会員には印象的な出来事でした。改めて、平和を願う作品こそ高校生や大学生をはじめ若者に観てもらいたい、観るべきだと思いました。

劇団 文化座『母』

第456回例会 劇団 文化座

2025年12月2日(火)18:30~

          12月3日(水)13:00~

会場 グランシップ 中ホール 大地

原作/三浦綾子 脚本/杉浦久幸

演出/鵜山 仁

出演/佐々木 愛、藤原章寛、姫地実加、萩原佳央里 他

 

 「蟹工船」などで知られるプロレタリア作家であり、1933年に特高警察による拷問で虐殺された小林多喜二。その母セキの生涯を描いた三浦綾子の小説を舞台化。原作小説の文体は、温もりのある秋田弁も相まって、貧困の中にあるセキの一途に息子を思う「無償の愛」が読む者の心を打ちます。

 舞台では自ら深く傷つきながらも家族や他人を思いやり、思想やイデオロギーを超えて息子に寄り添う母セキ(佐々木 愛)の姿が描かれます。もともと小林家は愛情溢れる明るい家庭で、秋田弁を操り底抜けに明るいセキを演じることで、より深い悲しみが表出されるでしょう。人が人を思いやり共生していく、という小林多喜二が願った理想を、母の愛情という視点を通して作品を仕上げています。

会員の感想

◎市民劇場は、お客さんでなく、みんなで作り支える組織、楽しく観劇しましょう!いいのかな?日頃はいろいろな事やっているのでなかなか時間がとれなくて、メンバーでありながら「観劇のみ」で心苦しく思っていました。会場設営、どなたに指示を仰げばよいのかが分からず、アタフタ…。大した戦力になってなかったと思いますが、くまさんチームとして奉仕できてよかったです。販売andスマホ預かりコーナー、スマホを預ける方は誰もいませんでした。(昼間の観劇ではいたらしいです)販売はお金の預かりが、あるので緊張します。が、こちらは、他の方にお願いしました。『母』愛さん…すばらしかったです。早速、本を買いました。蟹工船、読んだことないのですが、読みたい本が増えてうれしいです。あっ、小林多喜二さんの本ももっと読みたいな、という意味で蟹工船や他の作品も読みたくなりました。『母』三浦綾子さんの小説と「母が語る小林多喜二」セキさんが書かれたもの両方読みたい。

◎本も演出もよかったし、佐々木さんの演技は最高でした。 ◎とても感動しました。長いセリフの中に各役者の皆様の観客である私達に訴えかけるものが素晴らしかったです。 ◎母の想い、胸に迫りました。わたしの母のこと思いました。 ◎脚本も演技もすばらしかったです。 ◎とても良いお芝居でした。ラストの夕映えが本当に見えるようでした。 ◎とても心にひびきました。目をつぶってもみえるようでした。 ◎愛さん、よくとおった声でセリフも多いのに、りっぱな演技ですね。 ◎暗い大変な時代を支え合って生きた人々のお話し。涙が出た。 ◎ひき込まれました。 ◎感動しました!!よかった!!すばらしい!! ◎初めての例会で良いものが観られたね、と隣りの方に言われました。本当にそう思います。 ◎セキの昔語りで展開する舞台は、明るく悲壮感もなく人間の奥深さが良く表現されていたように思えます。ロビー交流会も良かった。 ◎明るく楽しく笑いにみちた小林家。あの時代によくぞ!!と思いました。お母さんがすばらしい!! ◎愛さんすばらしかった。セリフの聞きやすささすがです。もっともっとたくさんお芝居見たいです。続けて下さい。こういう舞台が好きです。 ◎内容も深く心を揺さぶられる思いでしたが、何よりも佐々木愛さんの演技がす ばらしかった。お母さまの鈴木光枝さんを思い出しました。 ◎声がすばらしくて引き込まれました。つらい事も楽しい事も全てのみ込んで夕映えをみつめる母の姿が美しいです。

◎久しぶりにすばらしいものを最後までみることができました。今の幸せを実感しております。平和な日本が続きますように。

◎先日テレビで多喜二の遺体の写真を見ました。ひどいゴウモンを受けていました。言いたい事を言い、書きたいことを書ける世の中でありますように。

◎佐々木愛さんが本当にすばらしいなと思いました。いつまでも頑張って下さい。他の皆様もありがとうございました。

◎母役の佐々木さんの演技にひきこまれ、感動しました。母の声がききたくなりました。 ◎思っていたのとちがう舞台でした。良かったです。 ◎佐々木愛さん演技すばらしかったです。一つ一つのセリフに母の思いが重なっているようでした。暗い時代の中でしたが、家の中はとても明るいのはお母さんの影響でしょうか。鑑賞できてよかったです。久しぶりに昼例会で観ました。 ◎素晴らしい演技もとてもよく考えさせられた内容で感動しました。ありがとうございました。 

 12月2,3日にグランシップでの例会、劇団文化座の『母』は感動の中で無事終わりました。

 今回の舞台、大道具が多くなく搬入と搬出は比較的短時間で終わりました。多くの劇団で若手の役者が参加する、例会の最初と最後の〝儀式〟である搬入・搬出は劇団員と触れ合う貴重な機会と捉える会員さんがいてくださるのは非常に嬉しいことです。

 今例会は、会員数とサークル数ともに前例会クリアをして劇団を迎えることが出来ました。劇団製作の国広さんのご挨拶も少し弾んでいたように感じました。担当の運営サークル会からは、「ポスターが良い」「愛さんの横顔が素敵」などの声が多く聞かれ、興味・関心を呼ぶ訴求力が高かったように思えます。

 劇団へのメッセージボード、いつもなら楽屋に持って行ってもらい劇団員が見たあと返却されるのですが、今回は1幕ということもあり、佐々木愛さんへのメッセージが多かったこともあって劇団にお持ち帰りいただきました。

 また今回、熱心に相関図を見ていらっしゃる方が多かったように思いました。小林多喜二の名前は知っていても、その家庭や背景は殆んど知られていないのが現状で、改めて、毎回作成する相関図も大切な例会の一部なのだと感じました。

 

 昼公演終了後には主役の佐々木 愛さんと藤原章寛さんを迎えてロビー交流会を開きました。大変多くの会員の皆さんが参加してくれました。先に多喜二役の藤原章寛さんが登場。若手にお聴きする定番の「役者になるキッカケは」から質問に入りました。まだ30代ながら、いくつもの文化座作品に主役級で出演する藤原さんの役者以前のお仕事には会場が湧きました。多喜二にはこれまでの作品でも縁があったようで、改めて今作に取り組むにあたりご自身のイメージとは違った多喜二像に少し戸惑いもあったそうです。

 そして、佐々木 愛さんの登場です。今作を企画した意図をお尋ねしたところ、貧乏な小林家が底抜けに明るい家庭で意外だったこと、そしてやはり、多くの新劇団が芯に持つ‶平和への想いと人間愛”をお話され、会員の多くが大きく頷いていました。藤原さんとのエピソードを懐かしそうに話すお顔は、文字通り劇団の‶母”でもある慈愛に満ちた表情でした。会員の「セリフはどの様に覚えますか」の質問には、文学座の江守さんと飛行機の中で交わした、ご自身の‶セリフを入れる方法”を話しながら、とても懐かしそうでした。

 『母』は静岡県ブロックの後も、一年間は鑑賞会の例会が決まっていて、責任感が人一倍強い愛さんが体調にとても留意されていることが良く分かりました。20分という短い時間でしたが、これまでの文化座を背負ってきた愛さんと、中堅として今後背負っていくであろう藤原さんをお迎えしたロビー交流会は貴重な機会となりました。

文学座『昭和虞美人草』

第455回例会 文学座

2025年9月24日(水)18:30~

          9月25日(木)13:00~

会場 グランシップ 中ホール 大地

作/マキノノゾミ

演出/西川信廣

出演/早坂直家、植田真介、上川路啓志、鹿野真央、赤司まり子 他

 

 時は昭和48年(1973年)。当時全盛の70年代ロックにどっぷりと浸かり、大人への階段を上っている途中の若者たちが織り成す、悲喜こもごもの物語。

 代議士の息子である甲野欽吾は売れないマニアックなロック雑誌「エピタフ」を刊行している。盟友である宗近、小野、浅井らが編集に携わる、いわゆる同人誌的な雑誌であった。ある日、小野と浅井がエピタフを辞めると言い出す。

 それと同時に、甲野の腹違いの妹である藤尾が司法試験のために勉強中である小野に急接近。結婚という二文字をちらつかせ、ニューヨークなどあちこち引っ張り出す。しかし小野には郷里に、許嫁に近い小夜子という女性がいた。煮え切らない態度の小野に「そいつはロックじゃないぜ」と宗近が諭す。(静岡・清水合同例会)

会員の感想

◎難解だなーと思いましたが、だんだん引き込まれました。“まじめ”について考えました。 ◎昭和(戦後)を時代背景にユーモラスな舞台。楽しく感動しました。  ◎漱石の「昭和虞美人草」を読んでいたので、とても理解しやすかったです。ブルジョアの呑気な青春物語は当時の一端を覗いた様で、楽しい三時間でした。 ◎テンポが良く、なつかしい曲を楽しめました。それぞれがまじめにロックしていました。 ◎内容がまじめ、それでいて楽しい、私の青春時代の話でした。私の同級生の男子たちも、あんなふうにみんな長髪でした。なつかしい。 ◎とてもおもしろかった!!ありがとうございました。 ◎昭和時代のロック、何かなつかしく服装も楽しませてもらいました。 ◎お父さんが亡くなった後から目が覚めたのですが、その後はとても引き込まれて楽しむことが出来ました。ありがとうございました。 ◎夏目漱石の虞美人草を読んでみたいと思いました。昭和が懐かしかったです。 ◎ああ、こういう舞台(劇)もあるんだと思いました。味わいました。 ◎後半が分かりやすかった。 ◎迫力あり楽しかった。 ◎懐かしい感じでした。 ◎面白かった。 ◎とても楽しかったです。 ◎原作とは異なる、わかりやすく、コミカルの内容で終わる事ができ、ホットしました。途中から、こうなるかな等と想像でき、そのような結末になったことも、楽しめました。 ◎昭和虞美人草の舞台、明治時代を昭和48年に設定されどんな風になるのかな〜?っと思っていましたが、3箇所の扉と全体の流れを進めるようにお手伝いさんの登場と三角関係や義理の親子や兄弟関係が分かり安く、観客を飽きさせないようになっていたように思いました。 ◎昭和虞美人草、よかったですね。最初は、少しききとれなかったところがありましたが、途中からお芝居に引き込まれました。あの日は、プール、放課後子供教室と、ハードな一日だったのですが、寝ることもなく、最後まで楽しみました。漱石の、虞美人草の文章が、セリフの中に出てきましたね。やはり、私には読めないなあと、思いました。 ◎時代背景を大変懐かしく思い出していました。楽しく観劇できました。良かったです。 ◎お話の時代、確かに生きていますが世代的には少々上、洋楽に憧れた若者たち、学生運動、ロン毛にパンタロン、厚底スニーカーを履いていたらもっと良かったのに...知っているけど懐かしいとも思えず、古風な許婚、現代的な自由奔放?競争相手が現れたらズルして手に入れる! 女って怖いですね〜 ◎原作を読んでみたい!と思うほど興味が湧かなかったというところが正直な感想です。ごめんなさい。かなり後方だったので俳優さんの表情が見えなかったのも、感動が薄くなる要因だったかもしれません。 ◎前半は爆睡してしまいました。後半からは目が覚めていましたが、具体的な感想はでてきません、すいません。ただ、会話のやり取りが面白くて、思わず声をだして笑ってしまいました。なので楽しかったです。 ◎ロック🎵は面白かったです。音楽ありで、楽しかった。 ◎一昔前の時代背景で、あの頃の人間模様が出ていたようです。ロックはよくわからなかったけど、吉田たくろうの曲は懐かしかったです。今の時代も舞台の時代も若者は何かを求めて青春していたんですね♪ロックです。

 搬入や搬出は「劇団員の素顔がかいま見られる」と、長い会員歴の方々には根強い人気がある活動です。今回の舞台は客席から見ると大きな造作のようですが、パーツを組み立てて立ち上げての舞台装置なので、搬出は思いのほか早かったそうです。

 文学座の製作は元気印の前田さん、前例会クリアを大変喜んでいただきました。会員と劇団員双方で作り上げるメッセージボードにもその喜びが溢れていました。

 5日後に開かれた運営サークル「まとめの会」でも、舞台設定当時が懐かしい世代の会員が多く参加し、衣装(特に藤尾の)や音楽談議に華が咲きました。

劇団 東演『歌え!悲しみの深き淵より』

第454回例会 劇団 東演

2025年7月17日(木)18:30~

          7月18日(金)13:00~

会場 清水マリナート

作/ロバート・アンダーソン

翻訳/木村光一

演出/鵜山 仁

出演/能登 剛、釆澤靖起(文学座)、和泉れい子、目黒未奈(文学座)、豊泉由樹緒 他

 

 1981年に東演が木村光一氏の翻訳・演出で初演。42年の時を経て甦った普遍的な家族の絆を確認する作品。

 中年のハリーは妻を亡くし、新しい生活に一歩踏み出そうとしている。しかし、年老いた両親を残して故郷を出ていくことにわだかまりを感じ言い出せずにいる。苦労の末に成功を収めた父は、残りの人生を人が邪魔することは許さないとし、自分の世界から離れない。出発を進めてくれた母は心労がたたって亡くなってしまう。嫁ぎ先から駆け付けた姉は父と決別し、ハリーに「自分の人生を歩みなさい」と去っていった・・・ (静岡・清水合同例会)

会員の感想

◎多くの会員さんに、父親、母親、また兄弟姉妹への想いを改めて考える機会になったのではないでしょうか…。能登さんが20kgも減量して演じた父トムは、逞しく働き家族を守った彼の人生が素直に伝わり胸に刺さりました。心に残る素晴らしい舞台でした。 ◎とてもタイムリーな内容でした。そんな風に話ができたらと思いました。ありがとうございました。 ◎亡き両親のことを思い出しました。そして、子ども達の関わり方をこれからも考えていこうと思います。ありがとうございました。 ◎父・子・、母と子、夫婦、何てめんどうな・・・何で分からなかったのか?あんなに優しい息子がいたのに! ◎世界でも日本でも共通の問題で興味深かったです。 ◎最後の熱演が素晴らしかったです。内容の深みも感じられ、人生というものも考えさせられました。 ◎役者さんのセリフの多さに感動しました。とてもよい舞台でした。  ◎最高でした!ありがとうございました。皆様お元気で。 ◎自分の家の事とダブった。 ◎身につまされた。 ◎心にしみました。 ◎等身大の芝居を見ているようだった。 ◎素晴しかったです。特にラスト近くの父とハリーの「闘い」は迫力と2人の想いがひしひしと伝わって来ました。ロビー交流会も作品の本質に迫る質問もあって良かったです。 ◎なんだかんだ言っても、ハリーを頼りにしている父親だが、そんな父親に縛られるハリーは気の毒です。突き放すことも必要だ。お姉さんの言うように自分を大切にしてほしい。私は、お姉さん派ですが、やっぱり面倒見るね、という人と、別れました。 ◎「僕はお父さんを愛したかったんだよ」このハリーの科白は、心に刺さり泣けてきました。私は、父ではなく母が嫌いでしたから…でも最後の時は母を愛する事ができました。人間は面倒臭い生き物ですが、だからこそ愛おしくもあるんですね。観劇できて感謝しかありません。 ◎私は、最初は父親の無神経発言にイライラでした。お話しが進むにつれて、父子の葛藤がよくあるテーマだなぁと感心、カーテンコールでは、俳優さん上手い!と拍手でした。題名は、日本語より、原題の方が好きかも。 ◎親子関係は同じだなあ。言いあわないと分かりあえない。

◎切実に自分の身に置き換えて切なかった。 ◎トムは自分の人生を押し付けているが、それぞれの人生がある。ハリーがもっと言えないのかと思った。最後、ハリーが自分の人生を歩もうとしているのが良かった。 ◎父と息子、母と自分に重ね合わせた。 ◎両親と弟、家族構成が同じ。時代が変っても家族は変わらない。 ◎時代に関わらず家族の物語。帰りの車中、妻とずっと話していた。

 「搬入から例会が始まり搬出で例会が終わる。それに参加し見届けられるのは光栄であり、劇団員と触れ合い会話ができる貴重な機会」。運営サークルでなくとも例会の度に参加してくださる会員のご夫婦は、その魅力をこう語ります。こういった意見は他県の事務局長からも聴いたことがあります。特に新入会の方に参加してもらうと良いそうです。

 劇団東演の制作・横川さんは「この作品は本当に大事な作品で、あまり公演したくないんですよ」と、劇団の財産的作品を茶目っ気たっぷりにそう表現していました。44年前の初演の感動を忘れられないのだろうと推察します。

 初日は清水市民劇場の高校生会員が元気に声を出して会場の雰囲気をずいぶん若返らせていました。高齢の会員は異口同音に「いいねえ、若い子の声が響くのは」と言っていましたが、その掛け声のお陰で記念Tシャツは飛ぶように売れていました。

 静岡市民劇場では今例会からリーフレットが新しくなったので3部を渡すことになっていました。また劇団から無償の作品リーフレットの提供があり、更には会員さんが参加の平和イベントのちらしも配付するということで、例会会報と合わせ計4部を渡すことになって受付は結構煩雑で大変でした。

  カーテンコールでは出演者全員にバラの花束が渡されました。これは清水市民劇場の会員さんにバラ農家がいらして協力してくださったそうです。熱演にふさわしく俳優さん達に喜んでいただきました。

 

 劇団東演「歌え!悲しみの深き淵より」は、普遍的な親子の葛藤を描いたアメリカが舞台の作品。派手さはありませんがその味わい深い舞台から静かな感動が拡がっています。原題は「私は決して父のために歌わなかった」。翻訳者で初演時の演出・木村光一氏は絶妙な作品名をつけたと感じます。地味と思われた作品は、その奥深く味わい深い世界観から、会員それぞれが自身の人生を振り返り見つめ直す機会となったようです。

 恒例のロビー交流会も多くの会員が残ってくださり、親子役4名の俳優陣を囲って和やかに行われました。中でも、父親トムを演じた能登さんのストイックな役作りには、ロビー交流会に参加した誰しもが驚きの声をあげました。何と体重を20㎏も落としたというのです。文学座の釆澤さんが演じた息子ハリーとの言葉と感情の格闘は観る者の胸を熱くしましたが、その裏には涙ぐましい役作りの努力が隠されていたのです。

 息子役の釆澤さんと娘役の目黒さんはその気さくで優しい雰囲気から会員さんに人気で、交流会が終わった後も高齢の会員さんに寄り添って身の上話を聴いている姿が印象的でした。

 母親マーガレット役の和泉さんは初演時は看護婦役を演じていたそうで、40年以上の歳月を経ての母親役は緊張もしたと言っていましたが、文学座のお二人を迎えて楽しんで舞台に立ったそうです。なお、この交流会が終わった後はステージに戻り、搬出に参加していたと会員さんが教えてくれました。すごいバイタリティです。

 息子と娘を演じたお二人は文学座から初の東演出演。座組の違いは感じたと言いますが、東演の俳優陣は皆優しく直ぐに馴染むことができたそうです。文学座のお二人が加わっての再々演を私たちは十分に堪能できました。

劇団 ピュアーマリー『殺しのリハーサル』

第453回例会 劇団 ピュアーマリー

2025年5月15日㈭18:30~

    5月16日㈮13:00~

会場 清水マリナート大ホール

原作/リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク

翻訳/保坂磨理子

演出/鈴木孝宏

出演/伊藤洋三郎、山本みどり、紫城るい、岩田翼、新藤真耶 他

 

「刑事コロンボ」の作者コンビの作品。物語の舞台は『劇場』、過去と現在が交錯し絶妙な台詞で高揚感を掻き立てる。

 ブロードウェイのとある劇場。誰もいない客席に現れた劇作家アレックス。1年前の今日、婚約者であった女優モニカが、主演舞台初日に謎の死を遂げた。彼女の死を殺人と確信したアレックスは当時の関係者を劇場に集めた・・・

 プロデュースならではの個性派俳優が異彩を放つ。客席が息をのむ鮮やかなどんでん返し、衝撃のクライマックス・・・

(静岡・清水合同例会)

会員の感想

◎登場人物のモニカへの思い入れがいまひとつ伝わらず、謎解きも「そこ?!」との印象。けれど犯人探しのためリハーサルを仕掛けているんだから、その奥の各々の熱い思いに気付くべきだったのではないか。ラスト、釈然としない気持ちを『刑事コロンボ』テーマ曲が流してくれたように感じた。◎だんだん引き込まれました。◎きょうも、本当に楽しく観劇させてもらいました。ありがとう!! ◎ミステリー好きです。役者さんとの距離が近く、良かった。◎上質なミステリーが大好きです。おもしろかった! ◎非常によくできた原作、シナリオの力だと思う。実に面白いサスペンスだった。俳優の方も生き生きと演じられていた。◎こういう事だったのか~。◎演出が面白かった。◎とても意外な結末でびっくりしました。楽しめました。皆さんの演技がすばらしい。◎女優さんが美しくてみとれてしまいました。◎最後の思いがけない犯人にびっくりでした。ドキドキワクワクできました。◎おもしろかった。まさかの犯人で! ◎大どんでん返しが効いて大変楽しめました。客席からの登場、犯人を追いつめる他の人物の動きなど演出の工夫が生きていたように思います。◎推理物としておもしろかったけど休憩時間が途中にあるとよい。高齢者には、2時間は少しつらい。◎2時間の公演は疲れました。科白を聞きのがすと、内容が解からず…うとうとされている人も多かった様に思う。演技されている方にも失礼だし…。◎わかりやすく、楽しめました。えーっ!とびっくり。私も出演してみたい。◎意外な展開で、2時間が長く感じられなかった。ワクワクして観た。◎見のがしてはいけないと、思って観ていた。おもしろかった。「分からない」という人がいて驚いた。コロンボのイメージを期待しすぎた人が多かったのかな~? ◎矢継ぎ早の展開で、観る人にじっくり考えさせる時間を持たせないところがポイントか?オーディションを受けた人が、なぜ犯人なのか?…と騙された。◎外国のミステリーにある大どんでん返しストーリーだと思いましたが、役者さん達の熱演、よかったです。セリフに力がありました。◎役者さんの出演前の緊張感やお芝居の評価にこだわる気持ちなどが伝わってきましたし、お芝居のリハーサルと現実が入り混じったような展開に驚きました。交流会もたのしかったです。◎山本みどりさんきれいだった。◎コロナ禍以来初めての観劇で、観劇できた事がまずよかったです。舞台と観客が一体化して、最後にどんでん返しのあるミステリーで、見応えがありました。

他団体の経験豊富な方が仰っていました。『新入会の会員さんには、搬入を担当してもらうと楽しいみたいだよ』。

きっと静岡市民劇場のあのご夫婦もそういった体験が基になっているのかな・・・静岡には運営サークルであろうとなかろうと毎例会、必ずご夫婦で搬入と搬出を担当してくださる会員さんがいます。他の担当された会員も観劇の時に「あの小道具は私が運んだものだ」「あのドアはあんな風に使われるんだ」と、芝居の内容に加え鑑賞会ならではの愉しさが増すんだそうです。

 

夜例会の前17時からは「対面式」を行いました。韮山高校出身のアレックス役・伊藤さん、富士吉原出身のベラ役・山本さん、日大三島校出身の劇場管理人役・川原さん、そして浜松出身の演出・鈴木さんと、静岡県に縁のある出演者が多く、短い時間でしたが本番前の緊張感を解すのにちょうど良い和やかな時間でした。

その後は、運営サークルと劇団代表の保坂さん演出の鈴木さんとの挨拶があり、期待を抱かせると共にスムーズな運営を確認しました。

 

前例会に続き多くの会員が参加しやすいように、昼公演の終演後にロビー交流会を開きました。予想以上の多くの会員が残ってくださり、清水会員の高校生の鋭い質問や、山本みどりさんの吉原高校演劇部時代の後輩の方が思い出話を披露するなど、短い時間の中でも愉しい交流会が出来ました。ロビーという場所柄「声が聞こえにくい」「役者さんが見えにくい」など、改善すべき点もありましたが、鑑賞会ならではの雰囲気のある集合写真が撮れたのではないでしょうか。

劇団 俳優座『猫、獅子になる』

第452回例会 劇団 俳優座

2025年3月4日㈫18:30~

    3月5日㈬13:00~

会場 静岡市民文化会館 中ホール

作/横山拓也

演出/真鍋卓嗣

出演/岩崎加根子、清水直子、安藤みどり、塩山誠司、増田あかね、志村史人 他

 

 80代の親が50代の子の生活の面倒をみる「8050問題」は深刻化し、親子で孤立死するケースも起きています。そういった状況に直面した家族の心理や振る舞いをつまびらかに表現し、現代社会に潜む問題点を浮き彫りにすることが、この作品のテーマとなっています。深刻で現代的なテーマを扱いながら、随所に笑いが散りばめられています。

今作は、第30回読売演劇大賞優秀作品賞を受賞しました。(静岡・清水合同例会)

会員の感想

◎難しい問題(8050・家庭)の内と外(仕事・社会)を同時に観せていただきました。宮沢賢治の本がこの様な舞台になるとは。凄い!一幕の舞台に全部のせる演出は素晴らしかったです。どちらも重い問題で自分事としてもう一度考えさせられた舞台でした。美夜子さんの台本でどのような「猫の事務所」が出来るのか楽しい想像も。◎妙子さんの姿は明日の私。朝美さんは仕事と仮定、子育てや介護の中でなんとか現状を凌ぎたい喘いでいた私。家族それぞれのセリフが切実で丁寧なのに驚いた。そして、ロドリゴくんの出現で美夜子さんを取り巻く状況が優しくほぐれていく展開に胸が熱くなった。宮沢賢治の理想には程遠いけど、こういう作品が生き辛さを感じている人の心を癒し、いじめや差別解消への力になっていくものと思う。

◎迫力あって身体にしみ渡りました。情のむずかしさ、必要な親子姉妹の愛情など。ありがとうございました。◎感動した。引きこもりの美夜子さんが上手だった。◎いい芝居でした。役者さん達も聞きとりやすく、あの配置、スポットでその場所が。朝美さん良かったです。◎家族のあり方を目のあたりにした感じ。◎熱演楽しみました!!◎家の近くに引きこもりの子がいてもう5年ほどになる。(中学3年から引きこもった)その子を思い出し涙が出ました。◎だんな様の演技がナチュラルで良かったです。◎すごく声もわかりやすく最後は人生を考えさせられることばだった。◎すばらしいストーリーでした。感激しました。◎みんなかわいそう、心に響く舞台でした。非常に重層的な演出、ストーリー、構成でした。社会の「今」、人間の「今」を考えさせられました。◎涙が止まりません。ありがとうございました。◎感動しました!劇って良いですね!◎とても考えさせられる内容でした。ありがとうございました。◎涙でました。◎前半、声が小さくて、耳の遠い私は良く聴きとれませんでした。残念です。◎1:30始まりにして下さい!!遠方の人が多くなっています。◎搬出だったので、ロビー交流会に出れませんでしたが、仕事の終了時に役者さんたちが挨拶に来てくださりとても楽しかったです、お芝居と共に記憶に残ります。

俳優座「猫、獅子になる」は、静岡県、長野県、中部・北陸ブロックの3ブロック初の統一例会として、全ての鑑賞会が「前例会クリアで迎えよう」と取り組んできた舞台です。その3ブロックの初っ端として、静岡・清水の合同例会がありました。静岡市民劇場は2024年から5例会連続の前例会クリアを続けてきており、6例会連続(1年間)を目指していました。しかし、直前例会のこんにゃく座「遠野物語」から僅か1か月しか時間がなく、20名の退会者に対し10名の新入会に終わり前例会クリアはなりませんでした。大変残念ですが、次の「殺しのリハーサル」に向けて気持ちを切り替えます。

 

作品は社会問題となっている「8050問題」を真正面から取り上げながら、親子・夫婦・様々なコミュニティを描き、観客誰もが思い当たるリアリティを作り出していました。さらには、動かない大道具を複数の場所に設定し観客の想像力を膨らます、舞台作品ならではの演出で「さすが俳優座」と、楽しませてくれたと思います。ラスト近くの静かなどんでん返しには多くの会員が涙を流したことでしょう。

今回は昼の終演後にロビー交流会を開きました。92歳の岩崎加根子さんをはじめ、引きこもり役の清水直子さん、妹役の安藤みどりさん、その夫役の塩山誠司さん、劇団座長役の若井なおみさんの5名が参加していただきました。俳優としての心構えや今作品の役柄への取り組み方など、会員の感想と質問に丁寧に答えていただきました。

 

翌日には俳優座制作の板倉さんが「何も終わっていない。これからだよ」と、作品のメッセージが込められた、静岡市民劇場を励ますような『猫獅子新聞 速報』を発行してくださいました。そして、次の例会場・三島に向かう俳優陣を多くの会員が笑顔で見送りました。

今回、昼の回終演後のロビー交流会と大道具の搬出が重なったため、搬出担当の会員さんは交流会に参加出来ませんでした。そこで、制作の板倉さんが搬出担当の会員さんを気遣ってくださり、「搬出の心構え」的マニュアルや記念撮影、準備運動などをセッティングしてくださいました。搬出担当の会員さんの感想も「今まで以上に搬出が楽しかった」と好評のようでした。

オペラシアター こんにゃく座『オペラ 遠野物語』

第451回例会 オペラシアター こんにゃく座

2025年1月28日㈫18:30~

    1月29日㈬13:00~

会場 清水マリナート 大ホール

台本/長田育恵

音楽/萩 京子ほか2名

演出/眞鍋卓嗣

出演/こんにゃく座一同

 

 故郷遠野の闇たちが語りかける。「俺たちを置いていくのか…」振り切って遠野をあとにする佐々木喜善。作家志望の喜善は、水野葉舟を介して柳田国男に弟子入りを願い出る。柳田は喜善の作品より、喜善が語る故郷に昔から伝わる物語に深く興味を抱く。喜善にしか感じられない闇や座敷童の存在などが次々と語られ、「物語の世界」と「現実の世界」が交錯し、「遠野物語」誕生の過程が描かれる。

(静岡・清水合同例会)

会員の感想

◎心配していた東北弁も意外と分かった、ような気がしました。と言うよりは、言葉を楽しんで観ていたのかもしれません。ピアノ、チェロ、フルート、打楽器と役者さんとの息の合った歌は素晴らしい!冷たい風に吹かれていても、とても気持ちがいい自転車での帰り道でした。

◎遠野物語、素晴らしかったです!!色々な場面をチェロ、フルート、ピアノ、打楽器だけの生演奏で表現する様、感動でした。こんなにも吸い込まれ最後まで酔いしれていました。開演前の5例会クリアの報告も本当に良かったですね。

◎フルートの不穏な旋律から始まり、物語の世界に引きずり込むように「闇」たちが現れた。もうここから期待でワクワク。声が美しすぎる喜善の祖母、シンクロした座敷童の少女二人、餅を喰う坊主、絶妙な楽士の演奏と舞台装置や照明までやっぱりこんにゃく座! 単に昔話でもなく、日々の暮らしの中で人が生きていくために生み出され語り継がれた物語。目に見えないものの存在を見失わず、ずっと声を聞き続けたい。 

◎歌がお上手でさすがです。沢山の出演者の方が一生懸命演じられて素晴らしかったです。 ◎少し分かりにくい感じがしましたが、久しぶりの演劇で演者の方々のすばらしいステージを感じました。 ◎生演奏がすばらしい。チェロ、フルート、ピアノ、打楽器。舞台の作りが大変良い。囲炉裏が上から降りなかなか上手くできている。こんにゃく座はいつも楽しい。 ◎とても声が美しくとおっていて、どの人の動きも良く物語の中に引き込まれて見ました。 ◎方言がよく分からないところがありましたが、あとは声もよく、おもしろかったです。 ◎ミュージカル、なかなか観られないミュージカル、とても楽しめました。 ◎役者さんの歌と曲、それに舞台装置が相互に響き合って素晴らしい。遠野物語を紡いでくれました。 ◎生演奏がとても良かった。すばらしい。舞台装置もすごく、演技に引き込まれました。 ◎不思議な世界へ・・・昔々はこんな事があったのか??生演奏すごい。座敷童っている? ◎楽器演奏もよくて素晴らしい舞台でした。遠野の方言が理解できなかったのが残念でした。 ◎音楽とのコラボ楽しませていただきました。物語を育む土地、不思議、いいなと思いました。 ◎歌、演奏はもちろん、物語、照明、凄かった。架空の話と現実が重なり、とても深い話になっていたと感じていました。とにかくみんなすごい! ◎大変贅沢な舞台でした。楽士4名と生唄はなかなか観られないと思います。鑑賞会ならではの劇団との一体感が味わえました。 ◎予想通りの美しさ、不思議の世界を楽しみました。早くまた来てください。 ◎遠野に出かけたくなりました。物語の世界に引き込まれました。 ◎日本語のオペラは心地良い。打楽器が効果的。おとぎの世界に迷い込んだ感じ。 ◎音楽(演奏)が良かった! ◎『遠野物語』面白かったです。民話の世界と現実の世界が入り混じった不思議なストーリー(オペラ)でしたが、いつのまにかその不思議な世界に引き込まれました。 ◎歌声が良かった。  ◎生演奏も時には効果音となり、歌やコーラスも綺麗で、素敵な舞台でした。 ◎遠野物語、と~っても良かったです。以前に訪れた遠野地方を思い出し、より物語に入っていけました。 ◎上演時間が長めでしたが、丁寧に表現されていて見応えのある舞台でした。生演奏、コーラスも素敵でした。

 

有志と運営サークルによる搬入、今回はいつもにも増してパネルや飾り物が多い舞台でした。清水市民劇場はいつもの赤いエプロンを着用し、静岡の会員も少し拝借しました。搬入の面白さは、ご自分が運んだパネルや道具が、上演時に一味違ったように見えるというのです。鑑賞会ならではの話ですね。物販は、パンフレット・クリアファイル・Tシャツ・DVD・CD・記念ブック・トートバッグと多岐にわたり、こんにゃく座の『お客さんを楽しませたい』という意気込みが伝わってきます。

制作・俳優の相原さんのご挨拶は「静岡、清水両市民劇場ともに前例会クリアで迎えていただき、大変嬉しいです」で始まりました。そう言ってくださることが、私たちも本当に嬉しい。鑑賞会を回る劇団の皆さんは異口同音、「前例会クリア」の達成を心待ちにされていることがひしひしと伝わってきます。ともに歓びあえることが素晴らしいと今回も心から思いました。

 

舞台は『遠野物語』がどうやって出来上がったのかを、そこに関わる人たちの人間模様を通して見せてくれました。また、明治時代の東北地方の生活がいかに厳しかったかが良く伝わってきて、胸が締め付けられるような思いも感じました。会員さんの受け取り方は様々なのようですが、楽士4名と俳優たちのアンサンブルは素晴らしいとの感想が多かったです。

劇団 朋友『あん』

第450回例会 劇団 朋友

2024年11月26日㈫18:30~

    11月27日㈬13:00~

会場 静岡市民文化会館 中ホール

原作/ドリアン助川

脚本/杉浦久幸

演出/大澤 遊

出演/益海愛子、戸井勝海、西海真理 他

 

 線路沿いから一本路地を抜けたところにある小さなどら焼き店。千太郎が日がな一日鉄板に向かう店先に、バイトの求人を見てやってきたのは70歳を過ぎた手の不自由な女性・吉井徳江だった。徳江のつくる「あん」の旨さに舌をまく千太郎は、彼女を雇い、店は繁盛し始めるのだが…。

会員の感想

 主人公の徳江さんのドラ焼き作りへの思い、特に「あん」についてのこだわりがわかりませんでしたが、ストーリーが進むにつれて、彼女の生き方がわかってくると、とても切なく感じられました。徳江さんの生きてきた原動力が何なのか、やさしさの中に強い思いがあると感じました。(さやえんどう S・T)

      

 小柄でかわいらしい徳江さんの登場で舞台が明るくなる。徳江さんはこれまでに何回かこのドラ焼きのお店に足を運んだことがあって、ドラ焼きも食べたことがあるのだろう。「皮はまあまあだけど、あんがねえ。」と言って自分の作った「あん」を話が進むにつれ強引に置いていく。

 壮絶な人生を生きてきたはずの徳江さんなのに、それを感じさせない明るさや人に対するやさしさに心打たれる。はじめて療養所(いや収容所だ)から外へ出て働いてお給料をもらえたことに素直に喜ぶ純粋さももちあわせている。つらい生活のなかでもほんの小さなことに喜びを感じ、幸せを見つけながら生きてきたのだなあと思う。

 映画の「あん」では、徳江役の樹木希林と佳子役の市原悦子のやりとりが忘れられないが、今回のお芝居では、劇中で語られる塔和子さんの詩のひとつひとつが心に染みて、幸せな気持ちで帰路に着いた。素敵なお芝居をありがとうございまいした。(さやえんどう S・M)

 

【一口感想】

◎色々なことを考えさせられました。観に来てよかったです。ありがとうございました。 ◎色々考えさせらた。 ◎近くで見ることができました。良かったです。  ◎ただ泣けました。 ◎感動しました。舞台も良かったです。 ◎感動的。良かった。どら焼き買って帰ろう。 ◎重いテーマをしっかりと伝えていて心をうたれました。 ◎大変な病気で世の中から隔離された生活を送らなければならなかった人達、胸につまされました。 ◎忘れてはならない人権侵害がこのようにあったこと、人生を奪われた人たちがいたこと、考えさせられました。 ◎せつないけれど現実でした。 ◎重いテーマ。とても良かったです。 ◎舞台と詩の連動が感動をさらに広げてくれた。心に染みる作品だった。 ◎テーマが少し重く辛かったです。 ◎病気のことは知らないことばかりで、涙がとまりませんでした。 ◎自然体の演技がすばらしい。徳江さんありがとう! ◎感動し、涙した。 ◎さもありなんと思いながらの観劇‼時代の流れといいながら、取り返しのつかないことです。(「大変良かった」に花まるが付いていました) ◎演劇を見るのが初めてでした。おふたりの熱演に感動しました。 ◎徳江さん最高。心にしみました。 ◎泣きました。ありがとうございました。 ◎少人数で長いせりふですごくまとまっていてよかったです。題材のハンセン病のこともよかった。

代があったとつくづく思いました。 ◎とても感動いたしました。ありがとうございました。 ◎静かなしみじみとした良い時間だったと思う。仕事や生活の諸々に追われているが、高齢の母との暮らし、一緒にいる時間を大切にしたいと思った。 ◎14歳で病気になりつらい人生でした。最後に理解しあえる人達にあえてよかったですね。 ◎泣けました。 ◎忘れてはならない歴史。私もあんを毎年手作りしている。

 

2013年に出版されたドリアン助川さんの「あん」は、映画が樹木希林さん主演で作られ話題を呼びました。日本はハンセン病に対する国の施策が他の先進国に比べ、人権への配慮や対応がかなり劣り遅れたものだったことは、多くの会員の皆さんはご承知のことだと思います。物語はそういったことを象徴するシーンもあり、改めて人が無知であることの罪深さを感じました。

 

11月26・27日に静岡市民文化会館で行った例会「あん」は、4連続前例会クリアで無事終了しました。

4連続前例会クリアは「会員が一番多かった1997年以来27年振りくらいだろう」と、前事務局長の鈴木さんが言っていました。

 

例会まであと一週間というところで入会が停滞してしまい、「どうしようか」と思っていたところへ、ポスターを見た男性からホームページを通じて入会希望のメールが届きました。その方の入会で会員数が前例会を超えることができました。そして例会当日に、運営サークルから「2名の入会あり」のうれしい報告があり、前例会より3名多い会員数、1つ多いサークル数で劇団朋友の皆さんをお迎えすることができました。

初日の終演後にはロビー交流会が開かれました。主役・徳江役の益海愛子さん、店長・千太郎役の戸井勝海さん、療養所の友人・千代子役の西海真理さんが参加してくださり、会員と短いながらも楽しい時間を過ごしました。今回は合同公演ではなかったものの、清水からも60名以上の会員が観劇し会場を盛り上げました。

その初日は静岡市内が夜になって大雨となり、劇団員の方々がホテルまで帰るタクシーが見つからず、会員が車2台で3往復して送り届けるというハプニングもあり、記憶に残る例会となりました。

俳優座劇場プロデュース『夜の来訪者』

第449回例会(静岡・清水合同例会)俳優座劇場プロデュース

2024年9月24日㈫18:30~

    9月25日㈬13:00~

会場 グランシップ 中ホール大地

原作/J.B.プリーストリィ 翻訳/内村直也

脚本/八木柊一郎 演出/西川信廣

出演/柴田義之、山崎美貴、尾身美詞、馬場太史、脇田康弘、有賀ひろみ、瀬戸口 郁

 

 1945年の初演以来、世界中で上演されてきた社会派ミステリーの傑作。俳優座劇場では1991年から2006年までに、全国で281回の上演を重ねてきた作品。

 昭和15年の春、娘の婚約者を迎え一家団欒の夜を過ごす倉持家。そこに影山と名乗る警部が突然訪れる。影山はある女の死を告げ、家族に質問を重ねていく。初めに当主の倉持幸之助。企業経営者である彼は、かつていわれのない理由で彼女を解雇していた。次に娘の沙千子、婚約者の黒須、母親のゆき、そして息子の浩一郎と...彼女はなぜ死んだのか!?

 「人間は一人では、一つの家族では生きていけないのです」。そう言い残して影山は去るが、残された家族のドラマはそこから始まるのだった...。(静岡・清水合同例会)

8月10日には出演者のお一人、青年座の尾身美詞(おみ みのり)さんをお招きして事前学習会を開きました。教育会館入り口では運営委員の望月さんがウエルカムボードを持ってお出迎えしました。

尾身さんはクルクル変わる表情で感情豊かに作品の魅力を語りました。前半は、父親役・柴田さんの”良い加減”の日ごとに変わる芝居、母親役・山崎さんの魅力、婚約者役・脇田さんとの体格問題、所属劇団による役作りの違いなど、ミステリーだけに相関図以上のネタバレにならないよう気を付けながら、”本当に舞台が好き”という思いがひしひしと伝わってきました。

後半は質問を受け付け、演劇を志すきっかけや音楽好きのルーツ、劇団の中堅としてご自身の舞台以外のお仕事など、屈託なく明かしてくださいました。そして直筆色紙の抽選会、尾身さんとジャンケンを3回繰り広げて3名の方にプレゼントされました。最後には尾身さんを囲んで記念撮影、参加した皆さんの笑顔が充実した事前学習会を物語っています。

例会前日9月23日に静岡入りした俳優陣とスタッフ、静岡駅では理事を中心にお迎えに上がりました。翌日の例会初日朝10時から大道具の搬入があり、静岡と清水から有志が参加し鑑賞会の力を発揮しました。
9月24日25日にグランシップで行われた例会、俳優座劇場プロデュース「夜の来訪者」は、3例会連続で前例会クリアを達成、前例会を8名上回る606名の会員で迎え、多くの「良かった」「ドキドキした」などの好意的な声が上がるなか無事に終了しました。
初日の公演終了後にはロビー交流会が行われました。上演時間が1時間50分と長くなかったため、多くの会員が残ってくれました。メイクを落として最初に登場したのは、影山警部役の瀬戸口 郁(かおる)さん。低音を響かせ「会員の熱がビシバシと舞台に伝わってきた」と、会員の真剣な眼差しや息遣いが届いたようでした。その後に登場したのは母親役の山崎美貴さんとお手伝い役の有賀ひろみさん。お二人とも舞台の着物姿から一転も美しさは変わらずの笑顔で、会員からはその変貌に「ほう」の声が漏れていました。
会員からの質問は警部とお手伝いさんの不気味さに集中しました。亡くなったとされる女性の関係者なのか、はたまた生霊なのか・・・観る人によって解釈が異なるのは演劇の醍醐味でもありますね。
なお、能登半島を襲った豪雨災害を受けて、例会場で急きょ行った募金活動は、会員が多くの篤志を寄せてくださり、2日間合計で216,069円もの寄付が集まりました。全額を赤十字を通じて被災地に届ける予定です
25日の昼例会も会員の真剣な眼差しは変わらなかったようです。場所を事務所に移した交流会、出演者7名と制作・宮澤さんの全員参加で、運営サークルの皆さんを喜ばせてくれました。流石は役者さん、楽しみながら悩みながら取り組んだ役作りと、創造団体と鑑賞会との関係を「演劇文化の両輪」と称して密接な繋がりを意識した自己紹介は参加者を大いに盛り上げました。役者の皆さんは一様に「コロナ禍で苦しかったことがようやく過去のことになりつつある」と話し、3つのテーブルでは過去の作品や全国を旅しての出会い、静岡での思い出など、話の華がいっぱい咲いていました。制作の宮澤さんも創造団体と鑑賞会の現状を若干憂いながらも、持ち前の明るさと若さで「演劇文化を盛り上げていきたい」と意気込みを語っていました。役者さんと十分に会話し愉しんだ鑑賞会ならではの交流会は、静岡での再開を期してお開きとなりました。

青年劇場『星をかすめる風』

第448回例会(静岡・清水合同例会)青年劇場

2024年6月28日㈮18:30~

    6月29日㈯13:00~

会場 静岡市民文化会館 中ホール

原作/イ・ジョンミョン

脚本・演出/シライケイタ

出演/矢野貴大、北 直樹、葛西和雄 他

 戦中の福岡刑務所。看守の杉山が何者かに殺された。配属されたばかりの若い看守・渡辺は、杉山殺しの犯人の捜索を任され聴取を始める。聴取を進めていた渡辺は、日本名「平沼東柱」こと「尹東柱(ユン・ドンジュ)」という若い詩人が関係していると確信する。

 そんな中、九州帝大医学部の医師が派遣されてきた。「体調不良の囚人を治療する」と話すが、その治療を受けた尹東柱は次第に体調を崩していく。尹東柱は弱りながらも、自らの詩「星を数える夜」を口ずさむ。そして……。

(静岡・清水合同例会)

青年劇場『星をかすめる風』は、2023年9月の再演時に理事数人が紀伊國屋サザンシアターで観劇し、少し難しい物語ながら脚本の妙に加え、装置や照明・舞台転換など、実に演劇の素晴らしさが伝わる舞台だと思い、担当理事を中心に作品の魅力を訴えてきました。しかし、退会者が7名と僅かだったにも関わらず、新入会8名の獲得には最後の最後まで苦労しました。例会日前日になって女子大学生が連絡をくれて入会、ギリギリでの前例会クリアとなりました。しかし、劇団の皆さんの歓びの言葉から、心から「前例会クリアがなって本当に良かった」と思いました。

初日には劇団側との顔合わせを急きょ行うことになり、こちら側のメンバーが少なくて申し訳ない思いでした。劇団の皆さんの言葉からは気力十分な雰囲気が伝わってきて、開演が待ち遠しいと思わせました。小川理事長には記念のサイン色紙が贈られました。

いつもの相関図やウエルカムボードも劇団のメンバーは熱心にご覧になっていました。

この例会で特筆すべきは、県中部地区の高校演劇部の生徒40名と顧問を招待したことです。もちろん劇団側のご理解があっての実現でしたが、多感なこの年代に大変素晴らしい舞台を観てもらうことで、生涯演劇を観続けるか或いは創造団体に所属して生涯演劇をつくり続けるか、そういった選択をしてもらいたいという願いがこもっています。

素晴らしい舞台の余韻を抱いたまま、静岡市民劇場事務所での交流会を4年振りに行いました。劇団からは、ユンドンジュ役の矢野さん、看守・杉山役の北さん、刑務所の看護師・岩波役の傍島さん、九州帝大からの看護師・上原役の小切(こぎれ)さん、同じく大山役の藤代さん、囚人・チェチス役の島本さん、制作の沼田さんの7名(上の写真の順番)が参加してくださいました。

こちら側は運営サークルと理事、清水市民劇場の鈴木事務局長、浜松演劇鑑賞会から3名、そして例会前日に入会した大学生も参加しました。役者さん達は、素晴らしい舞台の達成感と、会員の感激した想いが伝わって、とても充実した笑顔が印象的でした。

劇団NLT『ミュージカル O.G.』

第447回例会(静岡・清水合同例会)劇団 NLT

2024年5月21日㈫18:30~

    5月22日㈬13:00~

会場 静岡市民文化会館 中ホール

脚本・作曲/まきりか
演出/本藤起久子
出演/旺なつき、阿知波悟美、池田俊彦、ピアノ:金森 大

 ここは新宿・歌舞伎町に残る、最後のキャバレー「ミラクル」。昭和の名残を残すこの店もあと一週間でその火が消えることになっていた。スター歌手を夢見て上京し、38年。いまは、この店のシンガーとして歌い続けている二人の女性。明日を夢見た若かりし頃を過ぎ、女性としての幸せや愛を求めながらも、ステージで歌うことを選んできた、彼女たちの人生。

 「老い」と「夢」の狭間でいま、場末の歌手人生が終わろうとしている。そんな彼女たちに起こった『ミラクル』。それは…?

素晴らしい舞台の余韻を残したまま、ロビー交流会が開かれました。感動がこんなにも多くの会員を居残らせたのでしょう。

阿知波さんも旺さんも、舞台の充実感が滲み出たコメントを話されていました。会員からもとても感激したという感想が伝えられました。お二人からは『O.G.』が大千穐楽であり、すでにお二人の実年齢に合わせた後日談『O.G.2』の準備が始まっていて、今年には舞台がスタートするそうです。静岡県ブロックでも再来年の例会企画に上がっており、多くの会員も期待して選択するかもしれません。

前進座『くず~い屑屋でござい』

第446回例会(静岡・清水合同例会)劇団 前進座

2024年4月1日㈪18:30~

    4月2日㈫13:00~

会場 グランシップ中ホール 大地

台本・演出/鈴木幹二
出演/柳生啓介、上沢美咲、藤井偉策、中嶋宏太郎、松宮美菜、鳴り物・杵屋邦寿

 

 正直者の屑屋さんが巻き起こす、小さな長屋の大事件! 江戸の片隅に人情の花が咲く!

 ある日、正直者の屑屋さんが裏長屋で武家女房千代と娘のしづから仏像を買いました。仏像をかごに入れて仕事に精を出していると、細川家の若侍の目に留まり、すぐに仏像が売れました。気分のいい屑屋さん、いい事をしたと喜んでいますと、仏像の中から出てきたものは……。

初日開演前の劇団との顔合わせと記念色紙の贈呈、カーテンコールで掲げたお祝いメッセージ『くず~い屑屋でござい500回達成おめでとう!』。後ろの客席にも分かるように両面に文字が書かれています。(この写真は千穐楽に劇団が舞台側から撮ったものです)

初日の終演後にはロビー交流会が開かれました。従来にないくらいの多くの会員が参加して、出演者全員と三味線の杵屋さんのお話に聴き入りました。会員からの質問や喜びの感想が伝えられ、市民劇場ならではの和やかな交流が会員の大きな拍手を呼んでいました。そして最後に男性役者3人による「木遣り」が唄われて会場の雰囲気は最高潮に達しました。

2日の千穐楽そして500回の記念公演を前に、『500回達成記念と千穐楽の集い』を、劇団と静岡・清水の役員と運営サークルが参加して行いました。来静していない前進座の座員からのメッセージが読み上げられたほか、公演の9割で屑屋さんを務めた柳生さんと鳴り物の杵屋さん、初演から10年ほど舞台監督も務めた台本・演出の鈴木さんに、感謝のメッセージと記念品目録が贈られました。

静岡市民劇場として4年振りとなる、劇団との交流会を静岡駅すぐ近くの会議室で開きました。千穐楽のあと岐阜のお仕事に向かった杵屋さんを除く、役者5人のほか演出の鈴木さんと制作の豊田さんが参加、会員も清水の2人を含め25人が参加して賑やかな交流会となりました。鑑賞団体ならではの愉しく賑やかな90分があっという間に過ぎてしまいました。宴の後には「楽しいね、またやりたいね」の声が多くありました。

イッツフォーリーズ『洪水の前』

第445回例会(静岡・清水合同例会)イッツフォーリーズ

2024年1月17日㈬18:30~

    1月18日㈭13:00~

会場 清水マリナート

原案/ジョン・ヴァン・ドルーテン  作/矢代静一

音楽/いずみたく  作詞/藤田敏雄

演出/鵜山 仁

出演/ラサール石井、宮田佳奈、藤森裕美 他

 

 この作品は、1980年にイッツフォーリーズの創設者、いずみたくのプロデュースで財津一郎と秋川リサの主演で上演。昭和57年度芸術祭賞・優秀賞を受賞した作品。200ステージ以上の再演を重ねてきた、いずみたくミュージカルの代表作の一つです。

 舞台は満州事変がまもなく勃発する戦争前夜の大連。虚無感や怒りを覚えながらも、ただひたすらにそれぞれの道で生きていく人々の人間模様を鵜山仁の新演出で描いたものです。

1月17・18日に新春例会、イッツフォーリーズの看板ミュージカル「洪水の前」がありました。清水市民劇場との合同例会で、会場の清水マリナートは熱気で溢れ返りました。楽しく進行する舞台の中に、現代の不穏な雰囲気に重なるシーンもあり、今上演する意義を改めて考えさせられました。終演後は2回とも役者陣のお見送りが行われ、コロナ禍開けの市民劇場の愉しさを感じました。

この例会では、元日に発災した能登半島地震で大きな被害を受けた、石川県の七尾演劇鑑賞会への支援募金を行いました。大変多くの方が募金をしてくださり、静岡・清水の会員さんの温かさを改めて感じました。

民藝・こまつ座『ある八重子物語』

第444回例会(静岡・清水合同例会)民藝+こまつ座

2023年12月6日㈬18:30~

    12月7日㈭13:00~

会場 静岡市民文化会館 中ホール
作/井上ひさし 演出/丹野郁弓

出演/篠田三郎、有森也実(客演)、

   千葉茂則、桜井明美 他

 

 舞台は神田川が隅田川へと流れこみ、花街として栄えた柳橋。昭和16年から敗戦直後の昭和21年にかけての柳橋・古橋医院。

 ここに集う人々は、水谷八重子に心酔する古橋院長を筆頭に、事務方、看護婦、女中まで全員が大の新派マニア。患者の身の上話もたちまち「婦系図」風の筋書きに。そこへ八重子そっくりの「音楽のような声」をもつ芸者花代が登場、恋愛事件もわきおこって大騒動。はたまた「女形の研究」に熱中するあまり、入営日に寝過ごし徴兵忌避者になってしまう大学生もからんで……。井上作品ならではの群像劇です。

 新劇から出発して新派で活躍した初代・水谷八重子(1905~1979)。この作品は、水谷八重子十三回忌追善公演に書かれました。水谷八重子は登場しません。水谷八重子の芸と生きざまに魅せられた人々がユーモラスな筆致で描かれています。

上から時計回り(スマホでは上から)に「運営サークルの打ち合わせ」「二日目終演後のロビー交流会」「ロビー交流会の記念撮影」「静岡駅での劇団の見送り」です。

文学座『五十四の瞳』

第443回例会 文学座

2023年9月12日㈫18:30~

             9月13日㈬13:00~
会場 静岡市民文化会館 中ホール
原作/鄭 義信 演出/松本祐子

出演/松岡依都美、頼経明子、

   神野 崇、越塚 学 他

 
 戦後間もない頃、瀬戸内海の小さな島・西島。採石業しか産業のないこの島唯一の学校「家島朝鮮初級学校」で教師をしている柳仁哲(ユ・インチョル)と新しく赴任した女性教師、康春花(カン・チュンファ)の指導の下、日本人も朝鮮人も分け隔てなく学んでいた。

 ある日、占領軍(GHQ)が全国の朝鮮人学校閉鎖を宣言する。大阪や神戸で大規模な抗議デモが巻き起こった。このままでは俺たちの学校もなくなってしまう!少年たちはデモに参加するため、親や先生に内緒で島を飛び出した。

上から時計回り(スマホでは上から)に「劇団のお迎え」「例会初日の役者との顔合わせ会」「文学座制作 前田さんのご挨拶」「静岡駅での劇団の見送り」です。